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[矢ヶ部 太郎](https://orcid.org/0000-0002-2244-5890), [今村 岳](https://orcid.org/0000-0002-3130-7190), [吉川 元起](https://orcid.org/0000-0002-9136-8964), [宮内 直弥](https://orcid.org/0000-0002-7716-3049), [北島 正弘](https://orcid.org/0000-0001-9584-190X), [板倉 明子](https://orcid.org/0000-0001-5783-141X)

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[水素センシングおよび物質への吸蔵現象の理論的解釈](https://mdr.nims.go.jp/datasets/e1ab0c74-4c00-4e14-a18a-52cd7c5e76b1)

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水素センシングおよび物質への吸蔵現象の理論的解釈水素センシングおよび物質への吸蔵現象の理論的解釈矢ヶ部太郎 1, *・今村　岳 2, 3・吉川元起 4, 5・宮内直弥 1, 6・北島正弘 1・板倉明子 11 物質・材料研究機構 先端材料解析研究拠点　〠 305–0047　茨城県つくば市千現 1–2–12 物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点　〠 305–0044　茨城県つくば市並木 1–13 大阪大学大学院情報科学研究科システム工学専攻　〠 565–0871　吹田市山田丘 1–54 物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点　〠 305–0044　茨城県つくば市並木 1–15 筑波大学大学院理工情報生命学術院数理物質科学研究群　〠 305–8571　つくば市天王台 1 丁目 1–16 物質・材料研究機構 材料分析ステーション　〠 305–0047　茨城県つくば市千現 1–2–1（2022 年 10月 14日受付；2022 年 12月 13日掲載決定）Hydrogen Sensing and Theoretical Understanding of Absorption Phenomena for MaterialsTaro YAKABE1, *, Gaku IMAMURA2, 3, Genki YOSHIKAWA4, 5, Naoya MIYAUCHI1, 6,Masahiro KITAJIMA1 and Akiko N. ITAKURA11Natilnal Institute for Materials Science, RCAMC, 1–2–1, Sengen, Tsukuba, Ibaraki, 305–00472Natilnal Institute for Materials Science, MANA, 1–1, Namiki, Tsukuba, Ibaraki, 305–00443Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, 1–5 Yamadaoka, Suita, 565–0871, Osaka, Japan4Natilnal Institute for Materials Science, RCFM, 1–1, Namiki, Tsukuba, Ibaraki, 305–00445Materials Science and Engineering, Graduate School of Pure and Applied Science, University of Tsukuba,1–1–1 Tennodai, Tsukuba 305–8571, Ibaraki, Japan6Natilnal Institute for Materials Science, Materials Analysis St., 1–2–1, Sengen, Tsukuba, Ibaraki, 305–0047(Received October 14, 2022；Accepted December 13, 2022)This report introduces hydrogen sensing with Membrane-type Surface stress Sensor (MSS) coated with two kinds ofhydrogen adsorbent materials : Pd and PdCuSi. The equilibrium hydrogen pressure can be measured by detectingsurface stress associated with a volume change of the material caused by hydrogen absorption. For Pd on MSS, ittakes a long time for the hydrogen absorption reaction to reach saturation. However, it is possible to shorten thedetermination time by using the initial absorption rate as an index. As for PdCuSi on MSS, it needs a short time toreach saturation. We show that the relationship between the hydrogen concentration and the respective index of theabsorption rate or the saturation value of the absorption can be well explained by using a 2-step reaction kinetic modelfor hydrogen absorption into bulk via adsorption on surface.KEYWORDS : hydrogen sensor, Membrane-type Surface stress Sensor (MSS), absorption, adsorption, reactionkinetics1. は　じ　め　に近年，地球環境の問題から水素はクリーンなエネルギーキャリアとして期待され，70 年代中頃から 90 年代に盛んだった水素研究が再び脚光を浴び始めている1)。水素は最も小さな元素であるため，金属などの固体に容易に入り込む。その性質を利用し，水素吸蔵合金を用いると気体として保存するより 1/1000 程の体積で貯蔵可能である2)。また金属中を透過させることで高純度化することができるため，一部の合金は水素分離膜として利用可能である3)。一方，水素がインフラ材料に入り，時として脆性破壊をもたらすことで重大な事故につながることがある。また，水素は広い爆発濃度範囲を持つ可燃性ガスであることから，水素ガス漏れの防止や，漏れを検* E-mail : yakabe.taro@nims.go.jp表面と真空 Vol. 66, No. 2, pp. 114–119, 2023https://doi.org/10.1380/vss.66.114研究紹介― ( 38 ) ―https://doi.org/10.1380/vss.66.114知することも安全性確保のために重要である。ここでは，膜型表面応力センサ（Membrane-type Sur-face stress Sensor, MSS）を利用した水素センサを紹介する4, 5)。水素センシングには様々な方法があるが6)，水素吸蔵合金の応力変化をカンチレバーで検知する方法も1990 年代から試みられている7, 8)。カンチレバーは原子間力顕微鏡で利用されているように微小な応力を，光学的あるいは電気的に検知することが可能である9)。MSSはそのカンチレバー構造を最適化することにより感度を上げたデバイスである10, 11)。Fig. 1（a）に示す MSSは，中央の円板部分の表面に測定対象とする分子を吸着または吸蔵する感応膜をつけることで，その分子への選択性を高めることができる。円板部と基板は 4か所の狭窄部分で固定されており，測定対象となる分子の吸着・吸蔵により円板部分に応力が生じると，その応力が狭窄部に集中する。この狭窄部に埋め込まれたピエゾ抵抗素子がブリッジ回路を構成しており，応力を高い感度で検知可能となる（Fig. 1（b））。MSSと水素吸蔵物質を用いた水素センサの研究として，単体 Pd 薄膜および非晶質 Pd合金膜を水素吸蔵膜として利用した結果を紹介する4, 5)。単体 Pd薄膜は水素吸蔵過程において，吸蔵反応が飽和するまでの時間がかかるため，飽和値を指標にする方法ではセンサとしての応答性が悪い。そこで Pd薄膜利用時には，吸蔵の飽和値の代わりに初期の吸蔵速度を指標とすることにより，判定時間を短くできることを示した4)。一方，PdCuSiは組成によって非晶質となり，水素に対する応答が非常に速いことが知られ，水素吸蔵時の抵抗変化や，形状変形によるキャパシタンス変化を利用したセンサが研究されている12, 13)。非晶質 Pd 合金膜を用いると単体 Pd 膜の場合より非常に早く吸蔵の飽和に達することを利用し，飽和量を用いた場合でも高速のセンシングが可能である5)。さらに，これらの水素濃度と応答の関係について，表面吸着を経た吸蔵過程を考慮した 2 段階の反応速度論モデルを用いることにより，水素濃度と飽和吸蔵量および吸蔵速度の関係を統一的に理解可能であることを示したので，ここで紹介する。2. MSSを用いた水素センサ2. 1 Pd/MSS水素センサ我々はまず，電子ビーム蒸着法を用いてMSS素子表面上に成膜した 20 nmの Pd薄膜を水素感応膜とし，水素センシングを試みた4)。センシングの実験手順は以下のとおりである。一定濃度にした水素と窒素の混合ガスのボンベから供給されるガス（Sensing gas）と純窒素ガス（Regu-lating gas）をマスフローコントローラー（MFC）で制御し，水素濃度を調整した（Fig. 1（c））。ただし，MFCで制御可能な範囲があるため，Sensing gas として水素濃度が4％（40000 ppm）と 100 ppmの水素濃度ガスを使い分け，高濃度領域と低濃度領域の測定を行った。水素を吸蔵した Pd膜は格子が広がり応力を発生し，MSSの信号として出力される。この実験のMSS動作温度は 333 Kとし，ガスラインも含めて PID制御した。Fig. 2（a）は 4％ の Sensing gas を用いて，水素濃度2000～40000 ppmの水素・窒素混合ガスを 3600 秒，純窒素を 10800 秒を流すことを 3 回繰り返した時の応力の(a) (b)PiezoresistorSensitive filmVHydrogen(C)Fig. 1. (color online). (a) Optical microscope image of MSS. (b) Schematic drawingof sensitive film on MSS. Stress of absorbed sensitive film is transmitted topiezoresistors. (c) Schematic drawing of experimental system.T. Yakabe et al.― ( 39 ) ―115変動に対応するセンサ出力を示したものである。出力のサンプリングは 1 Hzで行った。40000 ppmの水素の場合はおよそ 3600 秒で飽和した。測定に時間がかかることでセンサ出力のベースラインのゆっくりとした変化が信号に含まれてしまうことに加えて Pd-H 系における水素の吸収・放出の際のヒステリシスがあることにより，ピーク高さの評価が難しいものとなる。なお，単体のPd 膜を感応膜に使うと飽和に時間がかかるという問題は，カンチレバーを用いて測定した Okuyamaらの実験においても示されている8)。この問題を回避するために，応力による信号（V）を時間で微分したものが Fig. 2（b）である。数値微分はグラフ作成ソフトにある数値微分を使い，二次多項式で平滑化し，隣接点 101 点とした。水素導入中に極大値をとる曲線となる。上に凸のピーク部分を拡大したものが Fig. 2（c）である。微分ピークの高さは 1 回目の吸蔵時に比べ，2，3 回目の吸蔵時では 20～30％ 減少したが，良い再現性であると考えられる。微分形での信号であれば，素子信号のベースラインのゆっくりとした長時間変化の影響も無視できる。水素導入後に微分値が極大を示すまでの時間は，水素濃度 40000 ppm の場合で導入後 200 秒程度となり，飽和にかかる時間（3600 秒）に比べると判定時間が格段に短くなったことがわかる。水素濃度 5～100 ppm 時の結果が Fig. 2（d）である。水素吸蔵後の再放出に時間がかかり，信号の絶対値により濃度を決めることは困難となる。しかし，これも微分を用いることにより，水素濃度ごとに再現性の良い値を示した（Fig. 2（e））。ここでの数値微分の方法および条件は高濃度の場合と同じである。Fig. 2（e）中の 5 ppmのグラフについて，数値微分の隣接点を 1001 点として拡大したものが Fig. 2（f）である。このように隣接点を増やすことは，ノイズを減らすことには良いが，一方で時間分解能という観点では劣ることになることには注意が必要である。また，時間微分が示す量は，時間当たりの水素吸蔵量に相当する量，すなわち吸蔵速度に比例する値となる。これらをまとめ，各水素濃度と微分ピークの高さ（吸蔵速度の極大値に相当する量）をグラフ化したのが Fig. 3である。ピーク高さのプロットは，同じ隣接点数 101 点で微分したも14.2014.2514.3014.35V (mV)2000 ppmt (x 104 s)20000 ppm10000 ppm40000 ppm-4048dV/dt (x10-4 mV/s)t (x104 sec)048dV/dt (x10-4 mV/s)t (x104 sec)40000 ppm20000 ppm10000 ppm2000 ppm15.215.415.615.816.0V (mV)t (x104 s)100 ppm50 ppm25 ppm5 ppm-4048dV/dt (x10-5 mV/s)t (x104 s)100 ppm50 ppm25 ppm5 ppm-4-2024dV/dt (x10-6  mV/s)t (x104 s)5 ppm(f)(b) (c)(d) (e)(a)0 2 4 6 0 2 4 6 1.05 1.10 2.50 2.55 3.95 4.000 2 4 6 0 2 4 6 0 2 4 6Fig. 2. (color online). (a) MSS signals for hydrogen concentrations from 2000 ppm to 40000 ppm. (b)Numerical differentiation (dV/dt) of the voltage signal curves in (a). (c) Enlargement around the upwardconvex peaks in (b). (d) MSS signals for hydrogen concentrations from 5 ppm to 100 ppm. (e) Numericaldifferentiation (dV/dt) in (d). (f) Numerical differentiation of 5 ppm curve in (d).0 50 100 150 2000246dV/dt[max]  ( x 10-4  mV/s)C1/2 [ppm1/2]Fig. 3. Relation of square root of hydrogen concentration(C1/2) and local maximum peak height of differential (dV/dt[max]). The mark points means the peak heights at first hydro-gen injection (■), ones at second (○), and ones at third (×).Vacuum and Surface Science Vol. 66, No. 2 (2023)― ( 40 ) ―116のを用いた。濃度の平方根とピーク高さはラングミュア型（双曲型）関数でフィットさせることが可能であった。その理論的な理由については 3.3 章で述べる。2. 2 PdCuSi/MSS 水素センサPd75Cu10Si15を三元同時スパッタにより MSS 上に成膜し水素センシングを試みた結果を Fig. 4に示す5)。この計測は MSS を 298 Kで動作させた。水素を MFC で調整しながら各濃度（2000～40000 ppm）で 300 秒間導入し，その後純窒素を 300 秒間流すことを 3 回繰り返した（Fig. 4（a））。100 ppm 以下の低濃度の実験では飽和・放出に時間がかかったため，各濃度（12～100 ppm）での水素導入に 1800 秒間，その後窒素を 5400 秒間流すことで安定を待った（Fig. 4（b））。Pd75Cu10Si15 膜の水素に対する飽和値までの時間は，単体の Pd 膜に比べると圧倒的に速い。非晶質構造のため解離した水素がバルク中を移動しやすいためであると推測される。また，それぞれの濃度に対する信号値のピーク高さ（水素吸蔵量に対応）と水素濃度の平方根との関係は Fig. 5に示す。このプロットもまたラングミュア型（双曲型）関数でフィットさせることが可能であった。理論的解釈について 3.2章で述べる。3. 水素の表面吸着を経た吸蔵の理論モデル3. 1 2 段階の反応速度論モデル水素が吸蔵する過程を，次のような表面吸着を経た吸蔵となる 2 段階の反応速度論モデルを考える（Fig. 6）。水素は表面の吸着サイト（S）で解離吸着され，その後バルクの吸蔵サイト（B）に吸蔵される過程を考えると，S þ 12H2 �k1�k1þS­H�k2�k2þB­H （ 1 ）となる。この反応式を微分方程式で表すと，ddt½S­H� ¼ k1þ½S�½H2�12 � k1�½S­H�� k2þ½S­H�½B� þ k2�½S�½B­H� （ 2 ）ddt½B­H� ¼ k2þ½S­H�½B� � k2�½S�½B­H� （ 3 ）となる14～16)。ここでは表面およびバルク中での水素が吸着されているサイト数を [S-H]，[B-H]とし，表面及びバルク中での空サイトを [S]，[B]としている。表面の吸着可能な総サイト数を S0およびバルク中の吸蔵可能な総サイト数を B0とすると，4681012V (mV) 50nm30nm2000ppm4800ppm10000ppm20000ppm40000ppmt (x103 s)345V (mV) 50nm30nmt (x104 s)12ppm25ppm50ppm100ppm)b()a(0 2 4 6 8 10 0 2 4 6Fig. 4. (color online). (a) Responses of PdCuSi on MSS to hydrogenconcentrations of 2000, 4800, 10000, 20000, and 40000 ppm. (b) Responsesof PdCuSi on MSS to hydrogen concentrations of 12, 25, 50, and 100 ppm.0 50 100 150 20001234560 5 100.00.5ΔV (mV)C1/2 (ppm1/2)Fig. 5. Peak jump heights of MSS output voltage (ΔV)plotted against square root of hydrogen concentration (C1/2).Film thicknesses of PdCuSi are 30 nm (■) and 50 nm (○).Inset : Expansion at low concentrations.k1+ k1-k2+k2-Fig. 6. (color online). Hydrogen molecules are adsorbed onthe surface and the dissociated atoms are absorbed into the bulk.T. Yakabe et al.― ( 41 ) ―117½S� þ ½S­H� ¼ S0 （ 4 ）½B� þ ½B­H� ¼ B0 （ 5 ）となる拘束条件を持っていることは自明である。3. 2 平衡状態での解ここで，反応式（ 1 ）が平衡状態の場合を考えると，ddt½S­H� ¼ ddt½B­H� ¼ 0 （ 6 ）の場合について解けばよい。この場合，式（ 2 ），（ 3 ）を [S-H]と [B-H]について解けば，½S­H� ¼ S0K1½H2�1=21 þ K1½H2�1=2（ 7 ）½B­H� ¼ B0K1K2½H2�1=21 þ K1K2½H2�1=2（ 8 ）となる。ここでは K1＝k1+/k1－，K2＝k2+/k2－としている。式（ 7 ）はラングミュアの表面解離吸着の式であり，吸蔵量についても同様なものが成り立つ。この式（ 8 ）の結果が前章 2.2で得られる吸蔵量と水素濃度の平方根がラングミュア型の関係を示す式である。また，これら式（ 7 ），（ 8 ）中の [H2]が十分小さいと考えられる場合には½S­H� � S0K1½H2�1=2 （ 9 ）½B­H� � B0K1K2½H2�1=2 （10）と近似でき，式（10）は水素吸蔵現象でよく現れるジーベルツ則となる16)。Fig. 5中の挿入図は水素が低濃度付近の拡大図である。この範囲にあるデータは直線で近似できることから，低濃度ではジーベルツ則に従っていると考えられる。ただ，直線近似した線が 0 ppm1/2の点から少しずれている。今回の水素センサの実験において繰り返し測定の中で水素放出のための時間が十分でないためわずかに残留水素が固体中に残っているためだと考える。3. 3 吸蔵初期かつ吸着反応が吸蔵反応に比べ速い場合の解釈次に式（ 1 ）の反応式において吸蔵の初期かつ吸着反応が吸蔵反応に比べ非常に速い場合（k1+，k1－≫k2+，k2－）を考える。この場合式（ 2 ）について k2+，k2－が係数の項の影響は十分小さいとみなせるので，この場合の式（ 2 ）はddt½S­H� � k1þS0½H2�1=2� ðk1þ½H2�1=2 þ k1�Þ½S­H� （11）と近似できる。この式は解析的に解くことができ，[S-H]について解けば，½S­H� ¼ S0K1½H2�1=21 þ K1½H2�1=2×½1 � expf�ðk1þ½H2�1=2 þ k1�Þtg� （12）となる。ここで k1+，k1－が十分大きいと考えれば式（12）における expの項はすぐに 0に近づくと考えられるので，[S-H]は式（ 7 ）と同じく近似的にラングミュアの解離吸着式となる。また，式（ 3 ）について吸蔵初期を考えると [B] ≈ B0，[B-H] ≈ 0であるとみなせるので，式（ 3 ）はddt½B­H� � k2þ½S­H�½B� ¼ S0B0K1k2þ½H2�1=21 þ K1½H2�1=2（13）となる。これは前章 2.1の実験結果で示した吸蔵速度と水素濃度の平方根との関係を示している。式（11）～（13）を現象論的に言えば，吸着速度が非常に速いためラングミュア吸着が表面に起きた後に，ゆっくりとした吸蔵現象が起こるということであり，初期の吸蔵速度は，ラングミュア吸着で決まる表面水素量に比例しているためだと考えられる。4. ま　　と　　めこれらの理論と実験を解析するにあたり水素吸蔵量による応力値が比例すると仮定している。MSSの信号と表面応力との関係については G. Imamuraらによる有限要素法計算により，MSSの円板形状においても表面応力と信号値が線形関係にあることは確かめられている17)。Pd-H 系においては H/Pdの濃度により α 相と β相の 2 相があることが知られているが，今回の 4％以下に相当する水素分圧およびと 333 Kの近辺までの温度においては，ほぼ α 相のみの議論が可能であると考えられる18)。単一相であれば格子定数の広がりは吸蔵水素量に比例すると考えられる。今回，MSSと水素吸蔵物質を用いた水素センサの研究として，単体 Pd 薄膜および非晶質 Pd 合金膜を水素吸蔵膜として利用した結果を紹介した。また，センサの信号変化からそれぞれの感応膜への水素の吸着および吸蔵現象を理論的に説明した。一方，水素センシングの実験的側面から見れば MSSは非常に高感度であり，非常に薄い薄膜に印加される微小な応力を測定可能であることが確認された。MSSは 1チップで複数の感応膜を扱うことも可能であるため，機械学習と組み合わせたニオイセンサの開発も行われており様々な用途にも応用可能である19)。Vacuum and Surface Science Vol. 66, No. 2 (2023)― ( 42 ) ―118文　　献1) Focus NEDO 特別号, “サンシャイン計画 40 周年”(NEDO, 2014).2) 大角泰章 : “水素吸蔵合金” (アグネ技術センター,1993).3) 西村　睦 : 膜 43, 174 (2018).4) T. Yakabe, G. Imamura, G. Yoshikawa, M. Kitajimaand A.N. Itakura : J. Phys. Commun. 4, 025005 (2020).5) T. Yakabe, G. Imamura, G. Yoshikawa, N. Miyauchi,M. Kitajima and A.N. Itakura : Sci. Rep. 11, 18836(2021).6) T. Hübert, L. Boon-Brett, G. Black and U. Banach :Sens. Actuators, B 157, 329 (2011).7) J.K. Gimzewski, Ch. Gerber, E. Meyer and R.R.Schlittlera : Chem. Phys. Lett. 217, 589 (1994).8) S. Okuyama, Y. Mitobe, K. Okuyama and K.Matsushita : Jpn. J. Appl. Phys. 39, 3584 (2000).9) A.N. Itakura, T. Narushima, R. Berger and M.Kitajima : Appl. Phys. Lett. 80, 3712 (2002).10) G. Yoshikawa, T. Akiyama, S. Gautsch, P. Vettiger andH. Rohrer : Nano Lett. 11, 1044 (2011).11) 吉川元起 : 表面科学 35, 571 (2014).12) S. Kajita, S. Yamaura, H. Kimura and A. Inoue : Sens.Actuators, B 150, 279 (2010).13) Y. Hayashi, H. Yamazaki, D. Ono, K. Masunishi andT. Ikehashi : Int. J. Hydrogen Energy 43, 9438 (2018).14) H. Conrad, G. Ertl and E.E. Latta : Surf. Sci. 41, 435(1974).15) M.A. Pick, J.W. Davenport, M. Strongin and G.J.Dienes : Phys. Rev. Lett. 43, 286 (1979).16) J.W. Davenport, G.J. Dienes and R.A. Johnson : Phys.Rev. B 25, 2165 (1982).17) G. Imamura, K. Shiba and G. Yoshikawa : Frontiers inMicrobiology 7, 488 (2016).18) 深井　有, 田中一英, 内田裕久 : “水素と金属” (内田老鶴圃, 1998).19) K. Minami, G. Imamura, R. Tamura, K. Shiba and G.Yoshikawa : Biosensors 12, 762 (2022).T. Yakabe et al.― ( 43 ) ―119http://dx.doi.org/10.5360/membrane.43.174http://dx.doi.org/10.1088/2399-6528/ab7319http://dx.doi.org/10.1038/s41598-021-98347-4http://dx.doi.org/10.1038/s41598-021-98347-4http://dx.doi.org/10.1016/j.snb.2011.04.070http://dx.doi.org/10.1016/0009-2614(93)E1419-Hhttp://dx.doi.org/10.1143/JJAP.39.3584http://dx.doi.org/10.1063/1.1478153http://dx.doi.org/10.1021/nl103901ahttp://dx.doi.org/10.1380/jsssj.35.571http://dx.doi.org/10.1016/j.snb.2010.07.003http://dx.doi.org/10.1016/j.snb.2010.07.003http://dx.doi.org/10.1016/j.ijhydene.2018.03.149http://dx.doi.org/10.1016/0039-6028(74)90060-0http://dx.doi.org/10.1016/0039-6028(74)90060-0http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevLett.43.286http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevB.25.2165http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevB.25.2165http://dx.doi.org/10.3389/fmicb.2016.00488http://dx.doi.org/10.3389/fmicb.2016.00488http://dx.doi.org/10.3390/bios12090762