READS: 放射性物質の除去・回収技術のためのデータベース

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Created by: 物質・材料研究機構
Last Updated: 25/06/2020

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 東日本大震災による福島第一原子力発電所事故により、大量の放射性物質が外部に放出され周辺に甚大な影響を与えるに至った。放出された主な放射性核種は、131I (半減期:約8日)、134Cs (半減期:約2年)、90Sr (半減期:約29年)、89Sr (半減期:約50日) 等である。これら放射性物質の放出によって汚染された対象物は多岐に渡る。発電所内に溜まる炉心の冷却に使用された海水を含む汚染水や原発周辺および広域に汚染が拡大している土地 (田んぼ・畑・果樹園等)、森林、水、建物、道路等が想定される。また、汚染された水の分布も、海水、河川水、ため池や湖、プール、農業用水等非常に多様である。従って、環境中の多種多様な放射性物質の除去・回収技術を開発・実証し、実際の汚染除去を実現することが求められている。

 環境中の放射性物質の除去・回収技術を開発・実証し、実際の汚染除去を実現することを目指すために進めた。特に天然鉱物等の無機材料を利用して、環境から放射性物質を回収・除去する技術等の開発を目的として、セシウム、ストロンチウムおよびヨウ素の吸着材の吸着特性の基礎的データの収集を進めた。検討した放射性物質回収・除去材料としては、様々な産地・化学組成を有した候補材料約60種に対して基礎的データ800点近くを収集している。検討した天然鉱物等の無機材料は、ゼオライト、スメクタイト等の層状ケイ酸塩、鉄系鉱物、炭化物、層状複水酸化物などである。

 吸着特性の基礎的データの収集は、吸着実験手順に示したように検討対象の天然鉱物等の無機材料に対して、イオン交換水を用いて作成した異なる濃度の塩化セシウム水溶液、塩化ストロンチウム、ヨウ素を用いた吸着実験によって進めた。吸着実験は、室温 (23°C程度) で各吸着材と各種濃度の塩化セシウム水溶液、塩化ストロンチウム、ヨウ素水溶液とを所定の固液比 (例えば吸着材0.1gに対して、溶液10mL) に混合し、24時間程度撹拌した後、固液分離し液相中のセシウム濃度、ストロンチウム濃度、ヨウ素濃度を測定した。濃度測定は、ICP法等を用いて行った。なお、本データ集に収録されたデータは、限定された試験条件において取得したものである。従って特定の材料の優劣を示したものではない。最適な材料は、適用する条件・プロセス等により異なる。本データ集は、使用者責任により使用ください。

 データベース構築は(国)物質・材料研究機構を中心として、北海道大学、岩手大学、東京工業大学、島根大学、宮崎大学、首都大学東京、金沢工業大学、(国)国際農林水産業研究センター、(国)産業技術総合研究所、(国)日本原子力研究開発機構、(財)電力中央研究所の7大学・4法人・1財団法人が行った。これら研究チームは、日本粘土学会の主要なメンバーでもある。

 本研究開発は、主として平成23年度科学技術戦略推進費「放射性物質による環境影響への対策基盤の確立」において実施されたものである。

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